五線軌条

生活と芸術とか。

極夜抄(八)

怒涛の1週間だった。小旅行と演奏会と練習の後に演習発表があったのは誠にキャパシティを超えているとしか言いようがない。今まであまり後先を考えずに思った端から行動してきた結果がこれである。

どうにも私はギリギリでなんとかしてしまう術を心得てしまっているようで、今回の演習発表もなんとか乗り越えた。発表内容に手厳しい指摘が入ることを予想していただけに少々拍子抜けした形だ、

ところで、別のところで心を抉られることになった。今の研究テーマだと修士論文を書くのにかなりの覚悟が必要である、というそもそもの出発点を問われたのである。たしかに今回の発表の路線で研究を進めるとなると先ず語学の上ではドイツ語に加えてかなりのチェコ語の知識が必要となり、また資料の問題で国内にいては厳しいことが多い。研究者志望を明言してしまっている以上、指導教授の答えは「さっさと海外に行ってきなさい」となる。

それができたら苦労しないんだよなあ、とは思うがご尤もでもある。差し当たりこの生きていくにはあまりに足りなさすぎるドイツ語の能力を伸ばさねばならないし,留学に必要な資金を確保せねばならない。それからなによりも方向性を定めねばならない。

とりあえず来年度の前半あたりで語学試験を受けて、能力証明はできるようにしよう。話はそれができてからだ—そんな気がした。