五線軌条

生活と芸術とか。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

極夜抄(二十三)

下鴨神社の古本市で買った本を積読にしないために、そのうちの一冊を読み始めた。カレル・チャペックの『北欧の旅』である。 カレル・チャペックは説明するまでもなく戦間期チェコスロヴァキアを代表する劇作家である。私自身は『R. U. R.』、『山椒魚戦争』…

極夜抄(二十二)

「下鴨神社納涼古本まつり」、と云うのが所謂下鴨の古本市の正式名称である。阪急と京阪とを乗り継いで一時間少々。午前十時、私は出町柳に降り立った。下鴨神社の最寄駅である。出町柳から下鴨神社までは高野川を跨ぐ橋を渡り、鴨川デルタを背にして北へ向…

極夜抄(二十一)

ここ数日寝坊したり、遠出したり、寝坊したりしていたため記録をつけるのを忘れていた。結局僕はいつでも「こう」だ。いい加減家を出ようと思ってから三時間経ってようやくドアを開けるようなことはやめたい。最近、あちらこちらにボロが出ている。予定をす…

極夜抄(二十)

そろそろ修論をどの辺りに「落ち着かせる」か、検討しなければなぁ—そんなことを思いながらシャワーを浴びる。先日、年度はじめに出した研究計画を見るとなんとまあ、大風呂敷を広げていることかと呆れてしまった。4ヶ月経った現在、僕はそのうちの1割も明ら…